2006年1月26日木曜日

トゥーツ=シールマンス @ブルーノート

62bd567d.jpgハーモニカの天才「トゥーツ=シールマンス」がブルーノートにやってきました!

CDで耳にする広がりあるハーモニカの音以外、彼のプロフを詳しく知りませんでしたが、何と彼はベルギー人。そして、80歳とご高齢でもありました。それを知って、チケットを予約すると言っていた友人に便乗して、私の分も予約してもらいました。それで今日、シオラーズの夕花さんと3人でブルーノートに行きました。

4人編成でベルギー人2人、ひとりはイタリアン=ベルギー人、もうひとりはポーランド。ベルギーに住んでいた時には親しみがあった人種です。私の家の大家がイタリアン=ベルギー人、家の電気などのトラブルを片付けてくれてたのはポーランド人。どちらも移民の多いベルギーには多い人種です。時々混じるトゥーツ=シールマンスのフランス語に、まるでブリュッセルのジャズバーにいるような錯覚を覚えました。彼の会話から、本当に彼はブリュッセルが好きなんだなぁ・・・と。凄くベルギー人らしいなと感じました。

彼の80歳だとは思えないパワフルな音とパフォーマンス、お茶目な表情、ありとあらゆる才能に溢れていました。音の素晴らしさは私のような素人がここで表現するまでありません。そして、ステージの上の4人のコミュニケーションには眩しいものを感じました。何てスマートなリレイションシップ!そして、観客をもその仲間、同じジャズミージシャンであるかの如く引き込むお茶目なパフォーマンス!
人を幸せにするとはこういうことなんだな、と。シオラもこんな雰囲気のお店になれば最高ですね。

ジャスと言えば、私にとってベルギーなんですね。何で?と不思議に思う方が多いと思うのですが、ベルギーで多くの方々にお世話になったのですが、そのひとりがジャスピアニストのマル=ウォルドロンさんなんです。友人のジャズ=シンガーがブリュッセルにいらっしゃった時など、一緒にコンサートに連れて行って下さったり、楽屋に入れて頂くなどの貴重な体験をさせて下さいました。古いジャズマン達が亡くなっていったので(彼もこの後、74歳で生涯を終えることになるが・・・)涙を浮かべながら、他のジャズマン達との思い出話に花を咲かせる場面にも立ち会いました。語学がダメな私はその話の何%も聞き取ることはできなかったのですが、深みと迫力に圧倒され、語学が出来たとしてもただ黙るだけだったでしょう。

彼が4年前にお亡くなりになってから、暫くジャズを聴いていませんでした。あれから私も偶然、ベルギーのお部屋を引き払い、日本に戻ってからは何となく追われる毎日で、CDを手にすることもそんなになかったので・・・。でも、そんな私に思い出すようメッセージをくれたかのようなタイミングであった「トゥーツ=シールマンス」の来日。私自身はジャズ・・・って様じゃないけれど、ベルギーのあの景色を思い出しながら、時々ジャズを耳にしてみるつもりです。

そして自慢。今日の4人のジャズマン達となんと、全員と握手したんですよ!ふふふ♪

それにしても・・・去年の覇王別姫、シルヴィ=ギエム、シルク=ドゥ=ソレイユと、いい芸術に恵まれっぱなしで何たる幸運!死ぬまでにどれだけ多くの芸術を目にすることが出来るか?は魂の裕福さに比例するかもしれません!