2007年1月13日土曜日

単なる吸血鬼の話じゃない!

何を今更・・・ってくらい遅すぎる話ですが、フランシス=コッポラの『ドラキュラ』を観た。
私の崇拝するモニカ=ベルッチ女王様の作品を全て観ているので、それを知ったM男君が持ってきてくれたのだ。そのひとつがその作品で、以前から観たかったこともあって楽しみにしていた。

私は映画大好き。だけど、この業界に入って忙しくてのんびり映画を観ることはなくなっていた。でも最近、前よりは時間ができたので観るチャンスに恵まれている。ここ数年のブランクを取り戻すように何本も観ることも多い。

フランシス=コッポラの『ドラキュラ』は今まで観たどのドラキュラとも捉え方が違っていた。単なる吸血鬼の話ではなく、純愛、せつない愛の物語、かわいそうな男の話だった。何でも原作に忠実に映画化したと聞いたが、原作で『ドラキュラ』を読んだことがないので新鮮であった。

ドラキュラの人間ぽさにも驚いたけど、善悪を別のもの、対極のものとしてわけたがる思想がベースにある西洋文化でこういった作品が書かれて、長く受け入れられているあたりも面白いと思った。
それに対して悪が善にかわってゆくという考えは東洋のものとされていますが、最後に神を冒涜していたドラキュラに変化が見られたのに、東洋も西洋もかわらないじゃん?と感じた。

(生まれ変わりは東洋のものとされているけれど、よく考えたらドラキュラは生まれ変わりを書いているんだもんねぇ・・・作者は東洋思想に何か影響を受けているのだろうか?)

それにしても・・・小説の映画化は両方みなきゃダメね。『O嬢の物語』も小説と映画じゃ違うし。
それとフランシス=コッポラと言えば今月20日公開の『マリーアントワネット』も楽しみ。こちらも随分斬新な描写のようです。

一流と言われる人はどんな世界でも、いろんな角度からものをとらえることが出来て、サプライズしてくれます。感性を眠らせない為にも刺激を受けてゆきたいと思うこの頃。